渡邉朋也 | WATANABE Tomoya

1984年生まれ.多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース卒業.同コース副手を経て,現在は同大学図書館に勤務.コンピュータやテレビジョンといったメディア技術を ベースに,自作のソフトウェアを用い,パフォーマンス,インスタレーション,映像作品などを制作する.主な展覧会に「Central East Tokyo」(2007年〜2009年 東京馬喰横山周辺 ),「scopic measure #07」(2008年 山口情報芸術センター)などがある.
http://twitter.com/nabetanne/

UNIQLO_(SUPER)GRID

渡邉朋也

http://watanabetomoya.com/work/supergrid/

■(a)

○作品のコンセプト(概要)

ここ数年、日本の広告業界で台頭するウェブ媒体の広告ですが、 その中でもひときわ目をひくのが、コンピュータやインターネットの特性を活かした いわゆる「インタラクティブ広告」などと呼ばれる広告のジャンルです。 2010年現在、「インタラクティブ広告」の手法として比較的メジャーなものは インタラクティブなしかけが施された「場」をオンライン上に提供し、 そこに集うユーザと広告の発信元であるブランドとを、 あるいはブランドのユーザとユーザとをつなぎ、 ユーザ固有の体験ーヴィジュアルや、音声、ブログパーツといったコンテンツの生成ーを提供するといったものです。 この作品「UNIQLO (Super) GRID」では、 そうした「インタラクティブ広告」の代表的な例として「UNIQLO GRID(2007年)」を取り上げ、 この広告が持つ機能を応用し、 すでに用意されたインタラクティブな場の上に、 UNIQLOのブランド体験には寄与しないインタラクティブな場をさらに構築します。

○作品のねらい

ユーザが「インタラクティブ広告」を通して生成する固有のコンテンツが、 ボトムアップ的にその商品のブランドイメージの全体像を構築するー このようなタイプの「インタラクティブ広告」にボット的な働きをするエージェントを投入することで、 その全体像を一個人がハックすることは可能かを探ります。

■(b)

○規定1「webを展示空間とするのではなく,素材として用いること」をどのように解釈し、アプローチしたのか。

webにおける「素材」を、人とコンピュータ、および、ネットワークを通じた人と人とのインタラクティビティと解釈し、それを用いることとしました。 すでに多くの人々が、さまざまなサービス、コンテンツなどを通して、さまざまなかたちのインタラクティビティに触れています。そのなかのひとつとして、イ ンタラクティビティに重点を置いたと思われる著名なアパレルメーカーのブランディングサイトを取り上げ、そのサイトが提供する機能を利用し、サイト全体の インタラクティビティの質を変化させることで、アプローチを図りました。

○規定2「単なるwebツール/webサービス(道具)を作らないこと.目的のない,且つ合目的な道具を作る」をどのように解釈し、アプローチしたのか。

一企業がある目的を持って制作したであろう既存のwebサイト(webサービス)を、ボットを用いて拡張することで、その目的の希薄化を図りました。 また、有象無象のユーザが生成したコンテンツを用いてブランドイメージを構築すること自体が、無目的性/合目性を同時に孕んでいるのではないかと考えました。

■(c)

http://www.uniqlo.com/grid/ にアクセスし、ログインして画面を眺めてください。 また、http://twitter.com/supergrid_agent にメッセージを送ってみてください。送ったメッセージのうちのいくつかが、UNIQLO GRID上に表示されます。

(a).作品のコンセプトやねらい.

(b). 規定(1:webを展示空間とするのではなく,素材として用いること.2:単なるwebツール/webサービス(道具)を作らないこと.目的のない,且つ合目的な道具を作る.)をどのように解釈し,アプローチしたのか.

(c). 作品の仕組みや動作,また鑑賞する際に操作が必要な場合はその操作方法.